学部?大学院科目 Pick Up
環境衛生科学特論
死因第一位を占めるがんの原因が食物と化学物質一般であるとされるように、本特論では環境から摂取する化学物質(食物を含む)について、また環境因子としての病原微生物について、それらが内分泌系および神経系、免疫系、幹細胞系などに及ぼす影響という側面から解析して疾病に至るプロセスを科学的?総合的に把握する最先端理論を紹介しながら講義します。さらに、その研究に必要な先端技術?専門知識を学ぶとともに、疾病プロセスを未然に防ぐための方法論についても議論し、先導的な研究を推進する基本について講義します。
医療情報科学特論
医薬品の適正使用、医療の質の向上に貢献できる研究能力を養成するためには、医薬品や医療行為などに関するさまざまな医療情報の集積、有効性?安全性、経済性について治療学的、医療薬学的、医療経済学的な評価に関する専門的な知識を習得する必要があります。そのため医薬品情報学、医療経済学、臨床薬理学、医療倫理学、薬剤疫学、社会薬学の基礎と応用について包括的に講義します。
病態解析科学特論
疾病の原因となる生体変化や疾病に特有の生体変化を多面的な視野で解析?評価する研究遂行能力を養い、疾病の原因究明と診断?治療法の開発に貢献できる実践的かつ専門的な研究能力の向上を目指します。そのため、分子細胞生物学を基礎として、器官発生や病態制御における細胞動態と細胞死、ならびに神経細胞のストレス応答反応に伴う神経変性疾患発現のメカニズム、タンパク質構造のバイオインフォマティックスに関する知識について学びます。
薬物治療科学特論
疾病の治療とともに医薬品の適用拡大と副作用の抑制による「育薬」に貢献できる研究能力を養成するために、医薬品や伝統薬が有する治療上の有効性?安全性を疫学的?科学的に多面的な視野で解析?評価する実践的かつ専門的な知識を習得します。そこで、薬理学、疾患?治療学、生薬学、漢方医学、薬効評価学などについて受講者参加型のグループ討論や演習的な講義を交えながら包括的に学びます。
薬物動態科学特論
医薬品の有用性は薬物の薬理作用のみではなく、その体内動態(吸収?分布?代謝?排泄)および製剤によって影響を受けます。医薬品を適正に使用するためには、製剤の特性を深く理解し、患者個々の状態に応じて薬物の体内動態がどのように影響されるかを科学的に考慮したうえでの投与設計が必要です。また、育薬という側面からは、薬物の物理化学的性質および体内動態特性、さらに社会的ニーズを考慮した製剤を開発することが望まれます。以上の観点から、薬物の体内動態および製剤開発に関して、講義を行います。
医療英語特論
専門的な医療英語を修得するため、代表的な表現法や構文、および臨床薬学に不可欠な疾病と薬物治療について講義します。また、医療のグローバル化に向けた英会話力の向上を目的として、ネイティブ教員のもとで、専門的な医療英語の単語?表現の修得、外国人患者を想定した服薬指導やカウンセリング等のロールプレイ、ケース?スタディの解読とディスカッション、意見交換等の実践を体験し、医療人としての英語力を向上させます。
臨床薬学研修
臨床現場において指導者として活躍できる専門性の高い臨床薬剤師を育成するために、臨床研修を通じて知識、技能を習得し、また医療倫理観を育みます。薬物療法を介して医療チームで活躍できる臨床薬学のスペシャリストを養成するために、6か月間、薬剤部、看護部、検査部、診療科などで臨床研修を行います。臨床研修としては、薬剤部での薬剤師一般業務研修、看護部での患者ケア研修、検査部での臨床検査研修、診療科での薬剤管理指導業務研修を実施するとともに、担当患者に関する症例検討会などに参加します。
海外臨床研修
日本の臨床現場において新しい薬剤師職能の開発ができる専門性の高い臨床薬剤師を育成する目的で、先進的な臨床薬学教育が展開されている海外の協定大学において、2週間の海外臨床研修を実施します。主な臨床研修として、各研修先で開講される薬物治療学関連講義の聴講、各研修先の薬学生やレジデントが行う臨床研修への同行、各研修先の薬学生が行う症例検討会や文献紹介への参加、各研修先で自身が経験した症例のレポート作成と症例検討会での発表などを行います。帰国後は、研修内容の公開報告会を行い、研修レポートを作成します。
臨床腫瘍学特論
臨床現場においては、薬学的専門知識を活用して治療計画へ参画し、医療チームの一員として活躍することのできる臨床薬剤師が求められています。このような「がん治療に精通した薬剤師」の養成を目指すため、がんの疫学、腫瘍生物学等をはじめとしたがん関連の基礎知識の講義を行います。また、がん薬物療法専門医、がん専門薬剤師受験のテキストでもある臨床腫瘍学会編「新臨床腫瘍学」に沿って各種がんの臨床について専門家からの講義を受講することでより高度な知識を習得します。
がん薬物療法学特論
現場における問題解決を通してがん医療の進歩に貢献できる専門性の高い臨床薬剤師を目指すため、がん薬物療法の基礎と理論について講義を行います。また、本特論では、抗がん剤のミキシングをはじめとして日常の薬剤業務、レジメン管理等について必要な知識について講義を行い、臨床現場における研修をより効果的に行うことができるよう実践力を養います。
緩和医療学特論
がん治療において、治療の早期から緩和医療が導入されつつあります。緩和医療はチーム医療で最も重要な分野の一つであり、今後、この分野における薬剤師の活躍が期待されています。緩和医療は、化学療法に比べてさらに患者毎に細かい対応が求められるため、臨床現場において活躍するためには十分な知識と確かなコミュニケーション能力が必須です。本特論では、疼痛治療だけでなくさまざまな症状コントロールに必要な知識、薬物治療以外の対策、精神腫瘍学等について講義を行い、実践力、応用力を養成します。