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2025.06.20

国際英語をめぐる対話:多様な英語を認める新しい教育のかたち

  • #研究室だより

2025年5月、学習院大学大学院のYさんからの依頼により、本学の藤原教授へのオンラインインタビューが行われました。テーマは「国際英語(Global Englishes)」とその英語教育への応用についてです。藤原教授は、英語教育における国際英語の視点の必要性を論じ、書籍『英語教育のための国際英語論:英語の多様性と国際共通語の視点から』(大修館書店、2020年)を執筆するなど、この分野の先駆的研究を進めています。

英語圏中心主義を問い直す

インタビューではまず、藤原教授がどのようにして国際英語に関心を持つようになったのかが語られました。教授はもともと英語教育の研究者?教育者としてキャリアを始められました。従来の英語教育は、学問上も学校現場も、アメリカやイギリスなど限られた国の規範に従うことを前提としてきました。たとえば、「断り方のマナー」や「ジェスチャー」まで英語圏のスタイルに従うよう求める場面があり、教授はそうした姿勢に疑問を抱くようになったといいます。

その学校での学びとは対照的に、留学生や非英語圏の英語話者との交流を通じて、「英語は誰のものか?」「どのように話す英語が「正しい」のか?」という根本的な問いに向き合うようになったといいます。そこから見えてきたのが、文化的背景や目的に応じた多様な英語の存在でした。

『国際英語論』から現場の実践へ

こうした問題意識をもとに、藤原教授は2020年に書籍『英語教育のための国際英語論:英語の多様性と国際共通語の視点から』(大修館書店)を出版。この著作では、「国際英語(Global Englishes)」という視点から、英語を一時的に使用されるリンガ?フランカとして捉え直し、教育現場にどう応用するかを提案しています。

インタビューの中でも、教授はこの考え方を基盤としながら、英語話者の多様性を反映した教育の必要性を語りました。具体的には、現在も中学校?高校の英語教員と連携し、教職課程における実践的な調査?教材開発を進めているとのことです。

さらに、2025年8月号の英語教育専門誌『英語教育』(大修館書店)では、国際英語を特集する記事が掲載予定であり、そこでは日本の学校現場でのGELT(Global Englishes Language Teaching)実践例も紹介される予定です。

英語学習を「自己表現」の手段に

国際英語の視点は、単なる言語の多様性を認めるだけではありません。藤原教授は、美術や歴史の学びが特定の価値観に偏らず、多様な視点から捉えるべきであるように、英語教育もまた「自分がどうありたいか」を模索できる学びであるべきだと語ります。その意味で、英語教育のゴールは「ネイティブのように話すこと」ではなく、自分の英語を通じて自身の考えや価値観を伝えることができる“自律した英語話者”の育成にあると述べます。

おわりに

今回のインタビューを通じて、英語教育の在り方が大きく変わりつつあることが見えてきました。「正しい英語」を身につけることよりも、「多様な英語を理解し、自分らしい表現ができる力」を育てることが、これからの英語教育に求められているのではないでしょうか。

藤原教授の研究と実践は、その新しい教育のあり方を示す一つの指針となっています。