2021/01/22
都市情報学部 都市情報学科 2年 吉田楓さん
名城大学にトイレ研究会があるのをご存知ですか? ユニークな研究会を立ち上げたのは、富士山をこよなく愛する吉田さん。富士山のトイレをキレイにしたいと始めた活動は、さまざまな経験を通して幅を広げているようです。その取り組みについて話しを聞きました。
A
小学校3年生の頃から、家族で富士山に登るようになったのですが、富士山のトイレが臭くて、ニオイをなんとかできないだろうかと思ったのがきっかけです。
ある年に富士宮口五合目にあるトイレを使ったら、いつものツンとするようなニオイがまったくありませんでした。不思議に思って調べてみると、富士山のトイレは、場所によって処理方法が異なり、富士宮口五合目にあるトイレは自己処理型トイレと呼ばれる、特殊なし尿処理方法を用いたトイレだということが分かりました。処理方法によって大きな違いがあることに興味をもち、トイレについてもっと知りたくなりました。
A
高校生のときは、学園祭で「ハッピートイレプロジェクト」と称して、トイレ掃除を自ら行い、トイレの飾り付けをしました。高校の校舎はトイレが古かったので、プロジェクトを実施することで、みんなのトイレのイメージを改善できればと思いました。
大学に入ってからは、「名城大学トイレ研究会」を立ち上げました。研究会といってもメンバーは今のところ一人です(笑)。大阪大学や立命館大学など、ほかの大学のトイレ研究会と連携して、勉強会などに参加しています。
また、トイレに関心をもつ研究者や建築家の方などが活動する「一般社団法人日本トイレ協会」の学生会員になり、メンバーの方と交流を深めています。最近、協会の中で「若手の会」が発足しました。今後は「若手の会」の活動を本格化させ、「日本トイレ協会」をたくさんの人に知ってもらうためのイベントなどを企画していきたいと思っています。
A
はい。東海エリアの学生が集い、自分の夢などを語る「2020東海学生アワード」にファイナリストとして参加する機会をいただきました。これまでの活動内容や富士山のトイレ問題に加え、トイレが整備されていないことで起きている発展途上国の問題についてスピーチをしました。
公衆衛生や水処理技術が進んでいない地域では、汚水や屋外排泄が原因の感染症によって、一日に800人以上が命を落としているといわれています。学校にトイレがないために、教育を受けられない子どももいます。いまの私はこういった問題にすぐアプローチできるわけではありませんが、トイレに関心をもつ人を増やす活動は、世界中の排泄やトイレに関わる問題を解決するための一歩になると信じています。
A
今年富士山が無事に開山したら、トイレに興味のある人たちを巻き込んで、富士山のトイレの現地調査をしたいと思っています。登山者やトイレの管理者から話を聞いたり、トイレの処理方法を実際に見たりしたいです。富士山のトイレは利用するのに小銭が必要ですが、なぜ電子マネーの導入が進まないのかといったことも調べてみたいですね。
私はイノベーションの輪を広げる「NAGOYA CONNECT」という活動の運営にも携わっています。これからトイレについてさらに知識を深め、いつか「NAGOYA CONNECT」でセッションを行い、トイレの活動をともにできるメンバーを募りたいという目標もあります。
A
トイレや排泄の問題を考えることは、世界中の医療や教育、農業といった他分野を発展させるために必要不可欠なものだと思っています。いまはまだ何ができるか分かりませんが、視野を広くもって活動をしながら、将来の道を考えていきたいと思っています。
都市情報学部では都市計画などについて勉強していますが、都市計画によって公衆衛生の問題が改善した事例があるというのを知り、そういった分野に進むのも面白いと感じています。
A
ひと言でいうと、やりたいことを見つけられる場所です! ナゴヤドーム前キャンパスには社会連携センターの施設があって、私がトイレの活動をしているので、職員さんが「こんなイベントがあるよ」、「こんな人がいるよ」と、学外の人ともつながりをつくってくれるんです。おかげで活動の幅が広がりました。プロジェクトに行き詰まってしまったときは、相談をしたらすぐに話しを聞いてくれて、いつでも応援してくださいます。
また、都市情報学部は学びの幅が広いことも魅力です。自由にさせてもらえるので、いろんなことにアンテナを張ることができ、有意義な学生生活を過ごしています。
富山県射水市出身。夏は登山、冬はスキーやスノーボートを楽しむ山ガール。行き交う人が自然と挨拶を交わす、あたたかい雰囲気が山の魅力なのだとか。ニオイに敏感で、特にトイレのツンと鼻につく臭いは苦手。
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