大学概要【2025年度実施分】刑事施設の社会的役割や受刑者の処遇等に関する学習プログラム

法学部

刑事施設の社会的役割や受刑者の処遇等に関する学習プログラム
実施責任者:萩野 貴史

このプログラムでは、各種の刑務所等の果たす社会的な役割や実際の取組みに関する(事前および事後)学習や実際の参観を通じて、刑事施設や刑罰に関する知識を深めていきます。このプログラムを通じて学年を超えたつながりを構築するとともに、現在の日本が抱えるさまざまな社会問題への関心を養うことや、将来の進路の選択肢の幅を広げることも目的としています。

ACTIVITY

名古屋少年鑑別所見学

2025/07/18

 7月17日(木)に、名古屋少年鑑別所を見学しました。
 まず会議室で、少年鑑別所の幅広い役割について説明していただきました。名古屋少年鑑別所でも、鑑別や観護処遇だけでなく、「愛知法務少年支援センター」として地域援助にも取り組んでいることなどを学び、その社会的意義を初めて知ったという参加者も多かったのではないかと思います。
 その後、10数名ずつの2グループに分かれて、施設内を実際に見学させていただきました。少年審判などを行う部屋や室内運動場を見たり、単独室や集団室には実際に立ち入らせていただいたりと、教室の学びだけでは得られない貴重な体験をすることができました。
 会議室に戻ってから、今度は学生が5~6名ずつのグループに分かれ、各グループに職員さんがついてくださって、「対話」形式で質疑応答をしていただきました。少人数で質問しやすい雰囲気もあってか、どのグループも活発に話し合いが行われていました。

参加者の集合写真

質疑応答の様子1(法務教官の皆さんなど、写真の一部を加工しています)

質疑応答の様子2(法務教官の皆さんなど、写真の一部を加工しています)

名古屋刑務所見学

2025/07/23

 7月22日(火)に、名古屋刑務所の見学を行いました。今年6月に拘禁刑が導入されたばかりということもあり、参加者の関心も高かったものと思われます。
 最初に会議室で名古屋刑務所の概況などを説明していただきました。拘禁刑導入に向けて始まった「単独棟ユニット」による処遇など、新たな知識を得た参加者も多かったのではないかと思われます。
 そして、実際に施設内を案内していただきましたが、受刑者が作業に取り組む様子などを間近で見ることは、貴重な体験になったことでしょう。また、たとえばカメやメダカの飼育を通じて心を育むプログラムなども、実際にその様子を見たからこそ記憶に残る部分があっように思います。施設内では各所で丁寧な解説を加えていただきましたが、無線機が用いられて聞き取りやすく、より一層理解を深めることに役立ちました。
 その後、会議室に戻って質疑応答の時間を設けていただきました。学生が4?5人ずつのグループに分かれ、そこに刑務官の方が1名ずつ加わってくださり、グループごとに対話型の質疑応答を行うというものでした。刑務官の皆さんが話しやすい雰囲気を作ってくださったため、各グループで話題に事欠かない状態であり、あっという間に予定の時間を迎えました。刑務官の皆さんのリアルな声に接したことで、知的好奇心が刺激された時間となったことでしょう。
 各グループで別々の話題で盛り上がっていましたので、後期が始まり次第、(前回の少年鑑別所見学の分もあわせて)「事後学習」の時間を設けて情報を集約していく予定です。
 最後に刑務作業製品(CAPIC製品)の販売所を案内していただき、希望者は購入もしてきました。全国各地の刑務所で製作されたバラエティに富んだ製品が並んでおり、眺めたり手に取ったりしているだけでも非常に興味深いものでした。
 今回の見学には名古屋刑務所の職員の皆様だけでなく、中部矯正管区からもご臨席をいただきました。末筆ながら、多忙な中にも関わらず貴重な時間を割いてくださった皆様に、心から感謝を申し上げたいです。

参加者の集合写真

質疑応答の様子

刑務作業製品の一例

会議室に設置されていた展示物について説明を受ける様子

矯正展公式キャラクター「監ゴクウ」

矯正研修所名古屋支所の見学、および対話実践(模擬)体験

2025/12/04

 10月30日(木)に、矯正研修所名古屋支所の見学を行いました。警察官が入校する「警察学校」の存在などはよく知られているところですが、刑務官などが研修を受ける「矯正研修所」という施設についてはよく分からないという法学部生も多いと思います。
 最初に会議室において「矯正研修所」について、その成り立ちなどから丁寧に説明していただきました。その後、実際に施設内を見て回りましたが、参加学生たちは、研修生の居室や食堂、浴室、体育館等を興味深そうにみたり、疑問に感じた点を質問したりしていました。
 その後には、現在、刑務所等で採り入れられている「対話実践」というプログラムを模擬的に体験させていただきました。「対話実践」とは、受刑者の本音や内面にアプローチして、再犯防止などに役立てようとする取り組みとされています。従来の「刑務官からの指導」では、受刑者が本音を隠してしまう可能性もあるため、刑務官と受刑者とのより良いコミュニケーションを目指すものです。
 今回体験したのは「リフレクティング」と呼ばれる形式でした。参加学生と刑務官の皆さんが、「話し手」と「聞き手」、「観察者」に分かれ、まずは「話し手」の話をしっかりと聞いた後で、今度はその話の内容について「聞き手」と「観察者」が意見を出し合い、これを客観的に「話し手」がみることで、自分の話がどう伝わったか?他者はどのような意見をもつかを知るといった形で展開されます。これを繰り返していくことで、参加者がさまざまな視点や新たな考えに接していくことになります。最初は学生たちに戸惑った様子が見られましたが、時間が経つにつれてリラックスした雰囲気で積極的に発言するようになっており、まさに「対話実践」を体験できたのではないかと思います。
 お忙しい中にもかかわらず、このような機会を設けてくださった矯正研修所名古屋支所の皆さま、貴重な体験に協力してくださった研修中の刑務官の皆さまに心から感謝を申し上げます。

「矯正研修所」などについて学ぶ様子

矯正研修所名古屋支所を見学する様子

「対話実践」を模擬体験する様子

参加学生の集合写真

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