大学概要【2024年度実施分】三河湾の水質環境を学び、考える
大学院総合学術研究科
本プロジェクトでは、海洋観測を通して総合学術研究科の研究分野の一つである海洋環境研究の基礎を体験してもらいます。本学と、愛知県水産試験場および国土交通省中部地方整備局三河港湾事務所の連携により、三河湾域の海洋環境の実態や環境保全に係る基礎知識を学ぶことができます。
ACTIVITY
船舶による三河湾の海洋調査
2024/08/23
2024年8月22日に実施した大学院総合学術研究科の海洋実習で、船舶に乗船して三河湾の海洋環境調査を行いました。全国有数のアサリ稚貝の発生場所である六条潟、人工的な埋め立て地に囲まれた大崎地区窪地や三河湾口に位置する中山水道航路などの湾内でも環境が大きく異なる計7ポイントで水質調査(透明度、水温、塩分、溶存酸素、クロロフィル)、砂泥採取、プランクトン採取といった様々な調査を行いました。参加した学生は「慣れない船上での作業は大変だったが、実際に海の環境を肌に触れて新鮮だった」と話し、積極的に作業を行いました。
海洋プランクトンの採取と顕微鏡観察
2024/08/23
2024年8月22日に実施した大学院総合学術研究科の海洋実習において、三河湾から採取したプランクトンを愛知県水産試験場の設備をお借りして顕微鏡観察しました。1000倍以上に拡大すると肉眼では認識できない植物プランクトンの形まではっきりと確認できました。水産試験場にはプランクトンのプロフェッショナルが在籍しており、様々なプランクトンの種類をご説明いただきました。
三河湾環境の過去と現在を学び、未来を考える
2024/08/23
2024年8月22日に実施した大学院総合学術研究科の海洋実習では、船舶に乗船しての海洋現場による環境観測だけでなく、三河湾環境の研究や整備に携わる専門家による講義を受けることで、理解を深めることができました。
水産試験場の漁場環境研究部?中嶋康生部長からは「伊勢?三河湾の漁場環境」と題して話題提供がありました。そこでは環境調査で収集したデータをもとに三河湾の現状を知り、現在どのような取り組みが行われているかを考えました。また、国土交通省三河港湾事務所の松永洋明課長からは「三河湾の環境課題と環境改善に向けた取り組み」と題して三河湾の環境改善に向けた取り組み状況をご説明いただきました。
本学大学院総合学術研究科の鈴木輝明特任教授からは、「身近な浅い海域は本来生き物にとって豊かな環境だったが、異変が起こっている。愛知県はアサリの漁獲量全国1位を保っているものの、2014年ごろから急激に減少している。その理由が研究の積み重ねによって分かってきており、現在社会実験を行っているところだ。若い人たちにも身近な海域の現状を知って、何ができるか考えてほしい」と話していました。