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2021.02.17

鳥飼玖美子先生とアーナンダ?クマーラ教授によるオンライン公開講座

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外国語学部

鳥飼玖美子先生とアーナンダ?クマーラ教授によるオンライン公開講座

2月6日(土)、「生涯学びを楽しむ」社会を実現することを目指して、外国語学部主催の名城大学オンライン公開講座が実施されました。ゲスト講師として立教大学名誉教授の鳥飼玖美子先生、本学からは外国語学部初代学部長のアーナンダ?クマーラ教授がご登壇されました。

テーマは「アジア、日本における複言語主義を考える」です。参加申し込みは定員の300名を超え、参加者の背景は、学生、教育関係者、民間企業、行政関係機関、国際系NPOなど多岐に渡り、日本全国だけでなく、台湾、香港、ベトナム、タイ、インドネシア、オーストラリア、アメリカ、イギリスなど海外から「グローバル」にご参加いただきました。

複言語?複文化主義とは

まず外国語学部長の藤田衆教授より開会の挨拶があり、次に鳥飼先生による「複言語?複文化主義とは何か」と題したご講演をいただきました。ご講演の中で、複言語主義?複文化主義、欧州評議会の言語政策、欧州言語共通参照枠(CEFR)の目的と理念などについて、大変わかりやすく解説されました。

特に重要な点として、欧州評議会の方向性は、伝統的な単一言語?文化的である4技能やコミュニケーション能力観から、母語、第二言語、第三言語の間のさまざまな「仲介」を含む複言語?複文化的である能力観(plurilingual/pluricultural competence, intercultural competence)に移行していること、そして複言語?複文化主義は、言語をどう学ぶかの知識や、他の人々との新たな状況や関係に入っていく対応力を磨いていくので、言語面、文化面における生涯学習を推進する願いが込められているとお話しされました。

語学力+国際理解能力+実践力

次にクマーラ教授の「複言語/複文化主義:複言語話者の経験から」という題目の講演がありました。講演では、シンハラ語を母語とし、英語を連結語として学び、そして日本への大学院留学を通して日本語を習得した言語?文化学習と、その後の複言語話者としての勤務および教育経験を、豊富な事例とユーモアを交えて語りました。

国連での勤務では、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、韓国などを歴訪し、会議や議事録の作成などを通じて、通訳?翻訳や「国際共通語」といわれる英語の限界を感じ、コミュニケーションをする上では、訪問先の「パートナー」の言語を直接学ぶことの大切さを認識したと述べました。これらの経験をふまえ、外国語学部設立時には、外国語の運用能力だけではなく、国際理解能力や実践力をこれからの社会に必要な能力と捉え、グローバル社会での活躍にむけて、言語学習に対する考え方を改めること、文化理解が重要であるとアドバイスを送りました。

ことばの学びのありかた

二人の講演の後、参加者からの質問に基づいて、対談が行われました。欧州評議会の文化の捉え方や英語やポルトガル語などの複数の言語との付き合い方についての質問がありました。その話の中で、ことばの学びのありかたについて、二人の間で意見が交わされました。

クマーラ教授は、「何のためにことばを学ぶのか」を整理する、そしてしっかりとした認識をもてば、取り組み方も変わってくる、そして、外国語ができると今まで理解できなかった内容や側面が分かる、自分の人生が変わる、というプロセスを自身の例をふまえつつ説明されました。

鳥飼先生は、「生涯をかけて学ぶのが言語である」という欧州評議会の考えを紹介され、学校教育は基礎?基本の知識?技能をふまえて自律性を育てることが大切であるとお話しになられました。そのプロセスの中で、学習者も自らを律して、体系的に言語?文化を捉えなおしていくことも重要と述べられました。

言語?文化学習は、異文化への「窓」、そして自分自身の「ハイブリッド化」

また比較的、外国語使用の必要性が低い日本において、英語、タイ語、インドネシア語などを学んでいく、つまり複言語主義が広がる可能性についての質問がありました。その質問に対し、鳥飼先生は「外国語を学ぶのは何かの役に立つからだけなのか」と問題提起をされ、そして「そうではない」との考えを示し、自分の母語と違う言語?文化を学ぶことは、異文化への「窓」を持つことになる、そしてその「窓」をいくつも持つことによって、人生が豊かになるとお話になられました。

クマーラ先生もその点に賛同され、「異文化はもう1つのアイデアがあるという新たな発見」であり、異文化にふれることで自身の考えが「ハイブリッド化」されてゆく、それこそが外国語学習、外国語使用の喜びだと指摘しました。

事後アンケートの回答には、「一つの言語を学ぶともう一つの文化を学ぶことになり、人生が豊かになるということにとても感銘を受けました」「多言語を通して自分の世界を広げる、視野を広げることの大切さを教えていただいた」「改めて言語学習はライフワークだと感じた」「今回の講義はモチベーションに繋がりました。ありがとうございました」などのコメントをいただきました。

大変盛況な形で、今回の公開講座を終えることができました。今後も名城大学はさまざまな講座を提供していきたいと考えています。折には社会連携センターや外国語学部のホームページをご覧ください。