語学習得をはじめ、異文化での生活、現地の人たちとの交流、専門分野の見分拡大など、留学の目的は人によって当然違います。今回ご紹介する足立侑真さんは、名城大学のエンジニア研修を利用してタイに渡航。勉学だけでなく“人”からも大いに刺激を受けたようです。
僕はもともと英語にはそこまで興味はなかったものの、留学はしてみたいなと思っていた程度でした。
ある時、講義中に先生から語学研修ではなくエンジニア研修というプログラムが名城大学の研修制度にあることを聞かされました。それもタイの大学で。昨年、旅行でタイを訪れた際、都会とローカルが混ざった不思議な雰囲気がすごく気に入っていたので、迷わずこの研修に参加することに決めました。
現地では、ラジャマンガラ工科大学の講義の受講や、自分と似たことを学んでいる学生との交流、日系企業への訪問、駐在している名城大OBの方やタイ名城会の話を聞いたりと、非常に中身の濃い10日間でした。
ラジャマンガラ工科大学では、東京工業大学名誉教授でもある色彩工学分野で著名な池田光男先生の講義を受けました。池田先生の講義は、すべて英語で行われましたが、とても興味深く、頭にすんなり入ってくるものでした。タイ人の学生たちも同様に聴き入っていて、質問も多く飛び交っていたのが印象的でした。
タイ人の学生らとは、学内だけでなく遊びに行ったり、多くのことを語り合い交流を深めましたが、それぞれが夢をしっかりと持っていることに驚きました。
毎週アユタヤで作品撮りをしている写真家志望の子や、タイの有名アーティストのPVのアシスタントをしている映画監督志望の子など、みんな夢に向かって本気で努力をしているんです。
日本で漫然と暮らしていると、自分の未来について深く考えることもありませんでしたが、彼らの話を聞き大いに刺激を受けました。そして、彼らを羨ましいとさえ思いました。
日系企業4社への訪問や駐在員の方の話、タイ名城会の方々との時間でも心に残る経験をしました。
訪れた企業の一つに「TT FUJI SUPPORT」という会社があるのですが、社長の樋口さんは名城大卒であり、まず自分の先輩に海外で社長をされている方がいるということに誇りを覚えました。僕たちが情報工学科ということもあり、AIについての考えや従業員との向き合い方などを熱く語っていただきました。
また、今回の研修のサポートをしてくださったのは「タイ名城会」というタイ在留卒業生で結成された組織なのですが、この山口会長の話にも感銘を受けましたね。タイに来て29年になるそうですが、会長からは海外に暮らす苦悩やこれまでの生き様をうかがい、人物の偉大さを実感しました。
僕が、今回タイで出会った人たちはみんなキラキラ輝いていて、そのような人たちと触れ合うことで、これまで考えたこともなかった“海外で働いてみたい”という考えが芽生えました。
研修では、タイの文化や人と触れ合えたことも大きな収穫でした。タイと言えばニューハーフの方が多いイメージを持つかもしれませんが、今回の研修で関わったタイ人学生の中にもLGBT(セクシャルマイノリティの総称)の子がいました。
日本ではまだまだ理解が得られないこともありますが、タイは特に性別に寛容なのです。性別なんて関係ないという考えで、誰に対しても隔たりなく接している姿に、単純に自由っていいなと。
また、アユタヤでは寺院で瞑想を行いました。座って行うものと歩きながら行うもの2種類を体験させてもらったのですが、心を落ち着かせることで、頭がすっきりしました。いろんな考えを整理するきっかけになったかもしれません。
この研修を通して、自分の将来について考えるようになりました。まだその夢を実現するための行動は起こせてはいませんが、「できたらいいな」で終わらせてはいけないと思っています。こう思えるようになっただけでも進歩したかなと思います。
現地の人との触れ合いの中で、観光旅行では得られないものがあります。
自分の将来がまだ見えていない人は、とりあえず海外に一度行くことをおすすめします!
プログラム | 国際専門研修 グローバルエンジニア研修(理工学部 情報工学科) | ||||
渡航期間 | 2018年8月8日~18日 | ||||
研修先 | タイ バンコク
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研修費用 | タイ/バンコク?アユタヤ研修(11日間)約20万円 | ||||
利用補助制度 | 学部?研究科の国際専門研修プログラム
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