2018/11/29
農学部 生物環境科学科 2年 今井洸貴さん
川を愛し、地球を愛し、生き物を愛する農学部2年生の今井洸貴さん。水族館の運営のお手伝いをされていたほか、絶滅が囁かれていた生物を採集して世間を驚かせたりと、単なる「生き物好き」の域に止まらない活躍を広げています。環境を守り、少しでも良い方向へ変えていくため、地道な保全活動を続ける彼。自然界の魅力と、活動の原点について語ってもらいました。
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名城大学に入学した先輩が、講義の内容や、フィールド実習などの話をしてくれるうちに、名城の農学部に興味を持ちました。オープンキャンパスで実際に先生の話を聞いて、最新鋭の実験器具や分析機器を備えた実験棟や、温室、附属農場などがある点にも惹かれ、受験を決めました。
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僕の父は渓流釣りが趣味で、釣りへ出かけるたびに一緒に川へ連れていってもらっていました。水族館へ遊びに行くのも、子どもの頃から大好きでした。その頃からずっと生き物が大好きで、自然界や生き物のおもしろさ、奥深さというのは感じていました。高校ではSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の科学系部活動で、川の生き物について研究していました。
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野外での活動としては、有名な「池の水抜き」や外来種の対策事業、「生き物観察会」「川のゴミ拾い」などのイベントお手伝い、希少種の生息状況調査に携わったりと、活動内容はさまざまです。
それ以外にも、高校へ出向いて環境保全学習「五感で感じる生き物講習会」や、大学のサークルで名古屋の自然環境を守るための活動もしています。
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高校3年の時、Twitterで偶然知り合った生き物好きの学生たちと、非公式団体を立ち上げました。そのつながりで福岡県柳川市にある「やながわ有明海水族館」に関わらせていただくことになり、運営のお手伝いや、有明海の調査などの活動をしていました。2017年には、当時の館長と一緒に絶滅の可能性が示唆されていた希少なカニ「ヒメモクズガニ」を採集し、業界で話題になりました。彼らを見つけ出したときは、本当に感動しましたね。
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人間の乱獲による影響は、とても大きいと感じています。我々が自然環境という公共の空間を利用するのは実質”無料”なわけですが、そのためか、扱いが雑だと感じています。また、活動をしていく中で、一般市民の方々と我々との認識の差が想像以上に大きかったことも痛感しました。でもそれを嘆くのではなく、現状を丁寧に伝え、共感を得られるような活動を広げ、続けていくことが、今の僕たちにできることなんだと改めて感じました。
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環境を変えるのは、とても大変なこと。でも、こうしてコツコツと活動を続けていくことが、未来の地球環境につながっていると確信しています。ここから、環境保全活動の分野で、学生を中心に活動の基盤を作っていきたいです。僕としては、生き物に出会えて、生き物に関われる、それだけで幸せです。その気持ちを礎に、名古屋から全国へ、そして世界へ向けての最初の風になれるよう、これからも活動を地道に続けていきたいです。
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たくさんありますよ。まずは「ゴミを捨てない」「分別する」ということ。あとは、近所の小さな川でいいので、川の近くを見て歩き、その様子や、季節による変化を見ておくだけでもいいと思います。変化に気づくことができるようになりますしね。一見、環境とは関係ないところに、環境と置き換えて考えられる部分はたくさんあると思います。そうしたところから興味を持っていただけたら、嬉しいです。
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生き物の採集、標本作り、飼育観察が大好きです。釣りにも出かけますし、釣った魚で透明標本を製作したり、魚をさばいて調理し、みんなで食べたり…ということもします。生き物を獲らなくても、環境を眺めているだけで幸せです。化石や、鉱物の採集もいいですね。自然界はとても大きく奥深いので、興味があることはたくさんあって語りきれません(笑)。
名古屋を起点に、環境保全活動に積極的に取り組む。過去には「やながわ有明海水族館」の運営の手伝いをしたり、絶滅が囁かれていた「ヒメモクズガニ」を採集した経緯も。淡水魚が専門分野。「環境保全活動ネット」代表。大学サークル「野生動物生態研究会」所属。三重県桑名市出身。
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