今年もまた駅伝のシーズンがやって来た。名城大学欧洲杯足球网_十大博彩公司-投注官网は昨年10月、全日本大学女子駅伝対校選手権大会(通称:杜の都駅伝)で2年連続3度目となる栄冠を手にし、12月の全日本大学女子選抜駅伝競走(通称:富士山女子駅伝)では悲願の初優勝。大学女子駅伝における「2冠」を達成し、名実ともに日本一の座に就いた。
そして、今季も各レースで名城パワーを炸裂させている。今年の駅伝シーズンでは、どんな輝きを放ってくれるだろうか。
欧洲杯足球网_十大博彩公司-投注官网は、米田勝朗監督が名城大学に赴任した翌年の1995年に創部。当初は1年生2人だけの船出となったが、コツコツとチーム力を上げていき、2005年の全日本大学女子駅伝で初優勝を果たした。それまでの米田監督は、自らが選手を細かく管理し、「俺についてこい」という指導スタイルを採っていた。しかし、「名城大の選手は卒業後に伸びない」といった周囲からの声を聞いたことや、自身も「このやり方では、管理されなければ何もできない人間になってしまう」と考えたことで、「選手の自主性を重んじる」という指導方針の転換に踏み切る。
その試みはすぐに結果には表れなかった。それどころか、2002年から10年連続3位以内をキープしていた全日本大学女子駅伝で、2012年から7位、6位、7位と成績が低迷。米田監督は「優勝して数年間はその遺産やプライドでやっていけましたが、学生スポーツは選手が毎年入れ替わる。次第に優勝を知らない世代が増えていき、自主性を〝自由?とはき違える者が出てきたりもして、チームが機能しなくなっていきました」と当時を振り返る。
状況が好転し始めたのは、2014年頃からだ。競技に対する高い意識を持った一人の選手が、他のチームメイトに良い影響をもたらし、チームは再び上昇気流に乗っていく。その選手が4年生となり、キャプテンとして臨んだ2017年の全日本大学女子駅伝で、実に12年ぶりに栄冠をつかんだのだった。
チームは、外部の様々な人たちに支えられている。
医療の面では、かつて米田監督が学位を取った関係から弘前大学医学部の先生が定期的に血液検査を行い、身体のチェックをしてくれている。
食事の面では、約10年前から始まった名古屋学芸大学管理栄養学部によるサポートが大きい。現在は南亜紀先生のゼミに在籍する4年生が管理栄養士としての実習というかたちで、毎日交代で欧洲杯足球网_十大博彩公司-投注官网の寮に来て、部員の夕食を作ってくれるのだ。夏合宿や駅伝の全国大会にも帯同し、選手の健康維持や競技力向上に大きく貢献している。塩崎キャプテンは「グラム単位で栄養素を考えて作ってくれるだけでなく、夏合宿では同室で相談に乗ってもらったりもして仲が深まった」と、南ゼミ生への感謝を惜しまない。
米田監督は「選手が走れなければ、ゼミ生たちが『食事に問題があったのではないか』と自分たちを責める。そう考えれば、選手は必死に競技に取り組まざるを得ないし、いろいろな支えがあって競技が続けられていることを忘れてはいけないと思います」と話す。
米田監督は今季の前半戦を「個人の競技力を引き上げる」ことをテーマに、「ユニバーシアードに日本代表として選手を送り込み、世界で戦う環境を与えたい」という構想を描いていた。チームの主軸である加世田梨花選手(3年)、髙松智美ムセンビ選手、和田有菜選手(ともに2年)は国内の主要大会で結果を残し、7月にイタリア?ナポリで開催されたユニバーシアードにチームとして4大会ぶりに出場。加世田選手がハーフマラソンで銀メダルに輝くなど、三者三様に貴重な経験を積んだ。
その後、お盆休みの5日間を除く、7月29日から9月6日まで長野?富士見、北海道?別海、岐阜?御嶽で夏合宿を実施した。米国?アルバカーキで1人、強化に励んだ髙松選手を含め、各自がそれぞれに力をつけ、米田監督も「こちらが考えていたことはある程度できた」と手応えをつかんだ様子。
9月12日からの日本インカレでは、和田選手が5000mで3位、1500mで4位、加世田選手が10000mで3位と力を見せたが、1年生の奮闘も光った。山本有真選手は1500mで和田選手を上回る3位に入り、5000mでも5位入賞。荒井優奈選手と小林成美選手は10000mに出場し、それぞれ7位、13位と健闘している。
ここで改めて今季チームに加わった1年生を紹介しよう。いずれも高校時代、インターハイや全国高校駅伝競走大会、全国都道府県対抗駅伝競走大会など全国の舞台で活躍し、大学でのさらなる飛躍が期待されるメンバーだ。
山本有真選手(人間学部?人間学科/愛知?光ヶ丘女子高校卒)
山本選手は「自分は駅伝が好き。地元で日本一の大学があるのは良い環境だと思ったし、高校の先生にも勧められたので、名城大学への進学を決めた」という。強い先輩や同学年の仲間から刺激を受け、入学から約半年間で急成長を遂げている。日本インカレは「選手に選ばれるとは思っていなかったので、選ばれただけでうれしかった」が、「緊張しながらも自分なりに全力を出せて良かった」と語る。大学での目標は「駅伝で自分がメンバーとして走り、日本一になること」。全日本大学女子駅伝で早くもそれが実現するかもしれない。
小林成美選手(外国語学部?国際英語学科/長野?長野東高校卒)
これまで名城大学に何人もの好選手を送り込んできた強豪?長野東高校の系譜を継ぐ小林選手。「陸上と英語の勉強をがんばりたい」と文武両道を目指して大学生活のスタートを切った。今季は、「前半シーズンに5000mで15分台を出す」という目標を7月にクリア(15分54秒52)。夏合宿の疲れがやや残った状態で臨んだ日本インカレ10000mは「撃沈した」と苦笑いするが、新たな課題も見つかり、その後も前向きに練習に励んでいる。持ち味の「後半にしっかり粘れるところ」を発揮し、駅伝シーズンでも存在感を示すつもりだ。
荒井優奈選手(法学部?法学科/兵庫?須磨学園高校卒)
大学から勧誘される選手が多い中、荒井選手は自ら入学を志願した。「憧れていた加世田梨花先輩が名城大に入ったのがきっかけで、意識して見るようになった名城大が、楽しそうなのに強いところに惹かれた」と話す。「ユニバーシアード出場を見据えて、5000mなどトラックのタイムを伸ばしながら、駅伝でもチームの日本一に貢献する」のが目標だ。日本インカレは、「レース前は自信を持てなかったけれど、がむしゃらに前について行った。少しは自信になりました」と、自身2度目の10000mながら堂々の7位入賞を果たした。
福嶋紗楽選手(法学部?法学科/神奈川?荏田高校卒)
名城大の駅伝をテレビで見たときに、「カッコイイ」と憧れて入学を決めた福嶋選手。「周りに強い選手が多いので、練習からしっかりついて、自分を成長させたい」と日々、真摯に競技に取り組んでいる。入学当初は速いペースに遅れてしまうこともあったが、徐々に「きつくても粘れるようになってきた」と自身の成長を感じている。夏合宿は「後半は少し疲労が出てしまった」と反省するものの、初めての長期間にわたる合宿で、「メンタルも鍛えられた」という。長い距離のレースで持ち味を生かしていきたい。
相場里咲選手(法学部?法学科/愛知?豊橋南高校卒)
相場選手の専門は、インターハイで2年連続8位入賞を果たした800m。しかし、「もっと距離を伸ばして勝負したい」という思いと、「地元の愛知でがんばりたい」という思いから名城大学の駅伝部に入った。高校時代は短距離選手とともに練習をしていたため、「最初は長距離の練習についていくのが大変だったけれど、今はだいぶ慣れてきた」という。800mに出場した日本インカレは、「納得のいく結果ではなかった」ものの、「長距離の練習の成果はあった」。今後は1500m以上の距離に取り組む構えで、「3、4年生になったら駅伝メンバーに入りたい」とも語った。
市川千聖主務(法学部?法学科/静岡?浜北西高校卒、写真右)
高校では短距離チームのマネージャーをやっていた市川千聖主務。もともと箱根駅伝が好きで、「大学では長距離のマネージャーをやりたい」と名城大学に進んだ。入れ替わりで前主務が卒業したため、今は中尾真理子コーチに教えてもらいながら主務業務に勤しんでいる。仕事は、ドリンクの準備やタイム計測など練習時はもちろん、朝4時半に起床し、部員全員分の朝食を作るなど、多岐に渡る。多忙な毎日を過ごしながらも、「選手を一番間近で見ているので、一緒に苦しんだり喜んだり、気持ちを共有できるというやりがいがあります」と、充実の表情で話してくれた。
名城大学は〝二大駅伝?をディフェンディングチャンピオンとして迎えるが、キャプテンの塩崎葵選手(4年)は、「『連覇』は意識していない」という。
「今年は今年のチームで、新しい挑戦として二大駅伝の優勝を目指しています。基本的なことから徹底して、みんなで油断せずに取り組もうとやってきました」
10月27日、宮城県仙台市を舞台に6区間38.1kmで争われる全日本大学女子駅伝が、目標達成への第一関門となる。
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